注目される日本の先行き
評論家は、「今後、日本政府の内政・外交面の先行きにいっそう注目が集まる」と指摘する。
まず、「アベノミクス」の効力が続くか否か。これが安倍政権の寿命をかなりの程度左右するだろう。丹羽宇一郎前駐中国大使は、「『アベノミクス』は日本の国債利率を上昇させ、日本の実体経済に深刻な打撃を与えるだろう」と指摘している。安倍政権が今後「アベノミクス」の副作用を抑えられるかどうかは、今後の観察を待たなくてはならない。
次に、安倍首相が改憲を強行できるか否か。東京新聞は、今年4月、自民党の石破茂幹事長が「今後は改憲により軍法会議を設置し、従軍を拒否した自衛官を罰する」と発言したと報道している。また安倍首相は20日に行った最後の選挙演説で、「誇りの持てる国を築くために憲法を改正する」と述べている。
共同通信社が今月行った世論調査によると、改憲に反対する日本人の割合は増えている。多くの有権者が、公明党などの政党が安倍政権の改憲に「急ブレーキ」をかけてくれることを期待している。一部の日本問題専門家は、「安倍首相が改憲を独断専行すれば、民意の基盤を失い、政権の安定を脅かす」と予測する。
第3に、安倍首相が隣国関係の膠着状態を打破できるか否か。選挙公約で、自民党は隣国関係についてはたった一言、「中国、韓国との関係の発展、ASEAN諸国を始め近隣諸国との友好協力関係の増進に努める」としか言及していない。周知の通り、日本は領土問題と歴史認識問題で、中国・韓国との関係緊張が長い間続いている。選挙期間中、安倍首相は釣魚島に近い石垣島と宮古島を視察した。この行動が隣国をまた刺激したのではないかと心配する日本国民は多い。
評論家は、「安倍首相が今後も歴史問題や領土争い、防衛政策など敏感な問題で日本の民族主義を扇動すれば、国際社会の信頼を失い、東アジアの平和と安定にさらにマイナスの影響をもたらすだろう」と指摘している。(新華社記者 郭一娜)
「北京週報日本語版」2013年7月23日 |