李済平(国際問題ウォッチャー)
日本の菅義偉内閣官房長官は3日、中国の東中国海でのガス田開発活動を非難し、中国が東中国海「中間線」以西の中国側26キロの地点でガス田開発作業を行っていることに対し、日本は「双方の主張が重複する海域で中国が一方的に開発を進めていることを受け入れられない」と述べた。これには、筆者はどうしても一言物申したい。
中日は東中国海を挟んで向き合っており、双方は『国連海洋法条約』に基づき、話し合いを通じて境界を画定するべきだ。中国は一貫して公平原則と大陸棚の自然延長規定による境界画定を主張しており、日本の「中間線」による境界画定の主張を受け入れておらず、「中間線」以西はなおのこと論争の余地のない中国の管轄海域である。東中国海のこうした現状は、数十年来国際社会の共通認識となっている。この海域における中国のガス田探査開発活動は1970年代に始まり、長年続いている。日本は長期にわたって異議を唱えてこなかった上に、何度も「中間線」以西は中国の排他的経済水域であることを明確に認め、中国の実効支配を受け入れてきた。筆者がインターネットで日本の政府公式記録を検索してみたところ、日本のこの態度を証明する具体事例が2つ見つかった。
1つは、日本の外務省高官の発言である。2000年8月28日、川島裕外務事務次官(当時)が記者会見で、「日本は『中間線』以東を日本の排他的経済水域と考え、中国は大陸棚の延長は全て中国に属すると考えている。双方の主張は重複しており、海域に関する論争が存在する」としている。これは、日本が認める論争のある海域に「中間線」以西海域が含まれないことを示す。
2つめは、日本の東中国海での「沈没船」引き揚げだ。2001年、日本は朝鮮の「工作船」と見られる船を追跡し、「中間線」以西約24キロの地点で砲撃後、不審船は沈没。事後に、朝鮮の「罪証」とするため沈没船の引き揚げを決定した。2002年1月10日、日本の国会はこの事件に関する審議を行ったが、その際出席していた日本外務省、海上保安庁職員、国会議員はいずれも「中間線」以西が日本の排他的経済水域ではないことを認めていた。皮肉なことに、現内閣官房長官である菅義偉氏も当時国土交通省政務官として会議に出席していた。同年2月、日本の外相も国会答弁で「(沈没船)の海域は中国の排他的経済水域であり、中国が管轄権を有している。引き揚げ作業を行うのであれば、中国との調整が必要だ」との考えを示している。
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