商務部が提供した資料によると、調査期間中、中国国内トルイジン市場の見た目の消費量は増加し、国内産業の同類製品販売にとって良い条件を作り出し、国内産業同類製品の生産能力は衰えず、生産高と国内販売量も増え続け、国内売上高は増加、稼働率と労働生産率も上がった。しかし、調査期間内にＥＵからの製品輸入量が大幅に増加し、２０１１年は２００８年より２０１．０１％増となった。しかも２０１０年と２０１１年にＥＵから輸入したトルイジンの製品価格は国内産業同類製品の価格より安く、国内産業同類製品価格を低下させる結果となり、ダンピング輸入製品は国内産業の生産経営に対し顕著な影響を及ぼした。調査期間内のＥＵ産トルイジンのＥＵ内市場での平均販売価格は正規価格で１トン当たり１９７７．５０ドルだったが、中国大陸に輸出された後の価格は１トン当たり１５４８．９９ドルだった。

２０１０年と２０１１年、原材料と燃料動力コストの上昇により、中国国内トルイジン製品販売価格は同期比で３．８０％、６．３１％それぞれ上がった。しかし、ＥＵ産輸入トルイジン製品ダンピングにより国内産業同類製品価格を下げざるを得なかったため、２０１０年と２０１１年には国内産業同類製品の税引き前利益、投資収益率はともに低下。さらに２０１１年には赤字状態に陥り、関連企業の経営状況は悪化した。２０１１年の国内同類製品産業に従事する従業員１人当たり年間賃金は大幅に減少した。

調査機関は、本件調査期間内に、ＥＵ産トルイジンは中国市場でダンピング行為を行い、中国国内トルイジン産業の実質的損害とＥＵ製品のダンピングには因果関係があるとの裁定を最終的に下した。

「北京週報日本語版」2013年7月8日