本誌記者 蘭辛珍

２０１３年６月２８日から、中国はＥＵ原産の輸入トルイジンに対し反ダンピング税を適用した。ＥＵが中国の太陽光発電製品に対する暫定的反ダンピング税適用の裁定を下して以来、中国が発表した対ＥＵ製品反ダンピング税関連措置はこれが２つ目となる。これより前、中国はＥＵ産輸入ワインに対し反ダンピング・反補助金調査を行うことを発表していた。

中国商務部の公表によると、トルイジン反ダンピング訴訟で応訴したランクセス・ドイチュラントには１９．６％の反ダンピング税、その他のＥＵ企業にも３６．９％の反ダンピング税が適用される。課税期間は５年。

トルイジンは染料、医薬品、農薬に使われる化合物で、カラー現像剤などにも用いられる。２０１１年に中国がＥＵから輸入したトルイジンは１万３５８９．５５トンで、中国国内トルイジン市場の１６．０７％を占めた。

業界関係者は、「目下、中国－ＥＵ間は太陽光発電製品反ダンピング税で新たな交渉に入っている。中国がＥＵ産輸入トルイジンに対する反ダンピング税を適用したことは、太陽光発電製品の交渉に進展がなく、ＥＵがなおも頑強に中国太陽光発電製品に圧力をかけ続けていることを示している」と分析する。またアナリストは、「中国のＥＵ原産輸入トルイジンに対する反ダンピング税適用は間違いなく報復手段であり、ＥＵに圧力をかけて、太陽光発電製品反ダンピング税交渉のカードを増やすためだ」と見ている。

６月２７日、中国商務部がＥＵ産輸入トルイジンに対する反ダンピング税適用を発表した当日、ロイター通信は「この措置は明らかにＥＵの中国太陽光発電製品への暫定的関税適用に対する報復だ」と報道した。

これに対し、中国商務部が提供した資料は、「中国側は国内関連企業の申請に基づき、市場行為と関連法律に従って裁定したにすぎない」としている。