新体系構築の任は重く道は遠い
『信用格付けと国家金融安全』課題チームのリーダーである呉紅氏は、「信用格付け業界は特殊な国家戦略的地位を持っている。戦略的な高い見地から理解しなければならない」と話す。呉氏はさらに次のような見方を示している。「世界は深刻な信用危機に直面しているが、米国基準では各国の信用リスクの特殊性を指摘できず、各国の信用情報に対するニーズを満たせない。中国など新興経済体は、国際格付け体系改革でますます重要な役割を果たしていくだろう」。
大公国際資信評估有限公司董事長兼総裁の関建中氏の説明によると、近年来、国際社会は格付け体系改革について探求と実践を続けてきた。提示された解決案には、格付け監督管理の強化、料金モデルの改革、国家間格付け結果相互承認の推進などがある。「しかしこうしたことでは既存の格付け体系に存在する問題を根本的に解決できない」と関建中氏は話す。関氏によると、世界信用評級集団は二重の格付け体系制度モデルの推進に力を入れるという。つまり、既存の三大格付け機関のほかに、主権国家の背景を持たない非主権的格付け体系の構築を推進し、世界に客観的で公正な格付け情報を提供するよう努力する。
「二重の格付け体系制度モデルは、国際格付けに関する問題を解決するための現実的選択だ」と関建中氏は言う。関氏によると、世界信用評級集団は格付けと利益衝突のない各国民間機関の共同出資により設立され、いかなる国や集団の政治経済利益も代表しない。関建中氏はまた、「この新しい国際格付け機関は、国際格付け体系改革の推進、新たな国際格付け基準、独立した国際格付け監督管理体系の構築を目指している」と語った。
中国国際経済交流センター常務副理事長の鄭新立氏は取材を受けた際、次のように述べた。「複数国が共同参加する世界評級集団の設立は、中国及び他国が国際格付け体系における発言権を獲得する上で重要な意義を持つ。世界評級集団が十分な権威性と信頼性を備えるには、長期間にわたる苦労と努力、そして大公国際を含む各国参加企業が結合してより大きくなる『重合』の優位性を十分に発揮することが必要だ」。
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