EU太陽光発電企業が直面する苦境は、おそらくその企業自身の経営戦略の失策と関係している。EUに中国太陽光発電製品反ダンピング・反補助金調査を求めた主要申請者であるドイツのソーラーワールド社を例に取ると、同社はその太陽電池主要原材料である多結晶シリコンの長期購買契約を結んでいたが、この間に国際市場の多結晶シリコン価格が大幅に下落し、消化できないほどの損失を負った。この点について言えば、EU太陽光発電企業の苦境の原因を中国製品のダンピングだとまとめるのは公正ではない。
中国太陽光発電産業は技術の進歩と大量生産に力を入れ、生産コストを下げ続けてきた。これは中国太陽光発電製品が世界で強い競争力を持つ主な理由であるが、EUは中国太陽光発電産業の実力と向き合うことを回避し、インドを中国反ダンピング調査の代替国にし、人為的に、間違ったダンピングのイメージを作り出した。インドの太陽光発電企業の生産コストは中国よりはるかに高く、しかも生産規模においてインドと中国は同日の談ではない。そのため、EUの仮裁定は完全に公正さを欠いている。
世界の太陽光発電産業チェーンのうち、中国は太陽電池と太陽光パネル生産で優位性がある。EUの優位性は技術研究開発、原材料、設備製造などの分野であり、それぞれの優位性は最終的に価格に反映される。これは経済グローバリゼーション、国際産業分業、中国-EU双方の優位性発揮と自由競争の結果である。中国とEUは本来こうした産業分業構造に基づいてうまく協力していけるはずだが、EUの上記の決定はそれとは反対の方向へ向かうものだ。
太陽光発電製品をめぐる貿易摩擦において、中国は十分な誠意と建設的態度を示している。EUも誠意を示し、協議を通じて双方が受け入れられる合理的な案を見つけるべきだ。中国-EU間貿易に必要なのは協調であって敵対ではない。中国-EU間貿易関係の本質は相互利益であり、ウィンウィンの関係であるはずだ。
「北京週報日本語版」2013年6月26日 |