本誌記者 蘭辛珍

ＥＵの対中国太陽光発電製品反ダンピング調査の仮裁定は、中国からの反对に遭っただけでなく、一部ＥＵ加盟国の不満をも引き起こした。このことから、この裁定が正しくないことは明らかだ。目下のところ経済回復の力を欠くＥＵにとって、中国との協調発展は、単純にごく一部の利益のために中国と貿易対立するよりも遥かに重要だ。

中国-ＥＵ間の経済貿易はここ数年勢いよく発展してきた。中国とＥＵは互いに重要な経済貿易パートナーであり、ＥＵは中国の第１の貿易相手であり輸入先である。一方中国はＥＵの第２の貿易相手であり第３の輸出国だ。２０１２年、双方の貿易額は５４６０億ドル余りに達した。これほど大規模な経済貿易関係であれば一部不一致や対立があるのは避けがたいが、当然協議と交渉を通じて解決されるべきである。

中国とＥＵはいずれも経済回復促進という共通の課題に直面している。中国よりもＥＵの経済回復のほうが困難が大きいようだが、それがＥＵの貿易救済措置濫用の理由になってはならない。

現在、ＥＵの一部太陽光発電企業は確かに深刻な困難に直面しているが、これは世界市場の不景気によるものであり、ＥＵ自身の責任に帰するところが大きい。国際金融危機が起こる前、ＥＵは再生可能エネルギー発展戦略を打ち出し、補助金による再生可能エネルギー応用促進の奨励など、多くの措置を講じてエネルギー転換を推進してきた。しかし近年来、ＥＵ諸国は相次いで補助金を減額する政策を取ったため、市場需要が不振に陥り、各国の太陽光発電企業の経営難、ひいては破産や倒産という現象を直接的に引き起こした。