包み隠さず言えば、失業問題について、関連部門はかつてタブー視して避けてきたところがある。例えば以前は「失業」という言い方はなく、失業を「待業」や「待崗(一時解雇され休職状態にあること)」と言った。中国はすでに市場経済時代に入っているというのに、なぜ依然として登録失業率をそのまま用い、調査失業率を長い間試行しながら広く用いないのか?歴史的な要因のほかにも、おそらくタブー視して避けたり粉飾したりする意図があったのではないか。登録失業率は調査失業率より低いため、体面がいいからだ。
周知の通り、失業率はマクロ経済の「バロメーター」であるだけでなく、最も重要な民生問題の1つである。「偽りの低失業率」や「偽りの高就業率」は、政府の経済政策決定を誤った方向へ導くだけでなく、民生問題の解決を阻害し、人々の権利を損ない、ないしは社会の調和と安定にも影響する。したがって、この問題に関して、悪い状態を粉飾して何事もないように見せる現実逃避的な考え方は許されず、現実を見つめ実務に励む態度で客観的現実に正面から対峙しなければならない。
人力資源社会保障部が国務院に調査失業率の発表を提案したことは、すでに登録失業率の弊害をはっきりと認識していることを示している。調査失業率はサンプリング調査により失業率データを取得するもので、登録失業率と同様に実際状況との誤差はあるものの、明らかに登録失業率より正確で、それゆえにより価値がある。登録失業率から調査失業率への変更は、現実を見つめ実務に励む態度と仕事への取り組み姿勢、そして問題に正面から対峙し解決する誠意と勇気を反映している。「偽りの高就業率」という体面を捨てても、本当の失業率という本質を取るべきである。
「北京週報日本語版」2013年6月24日
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