新しい『食品中汚染物質限度量』基準が６月１日、正式に施行された。新基準は食品安全に関する国家基準であり、強制適用基準である。新基準は穀物、野菜、果物、肉類、水産物、調味料、飲料、酒類など食品約２０品目における鉛、カドミウム、水銀、砒素など汚染物質１３種類の含有限度量を整理・改訂し、セレン、アルミニウム、フッ素の指標３項目を削除、計１６０の含有限度量指標を設定した。新基準はコーデックス委員会の限度量指標とほぼ一致している。

セレン、アルミニウム、フッ素削除の理由

セレンは人体必須微量元素である。コーデックス委員会と多くの国・地域はセレンを食品汚染物質から除外している。中国の実験室検査測定、全国栄養調査、食事に関する総合研究データによると、各地域住民のセレン摂取量は比較的少ない。１９６０年代以降、中国ではごく少数の地域でセレン中毒が発生したものの、関連措置を講じてセレン摂取量を効果的に減らし、地域性セレン中毒の発生が抑えられ、セレン中毒現象は長い間見られていない。以上の状況は、セレン中毒防止においてセレン限度量基準設定の効果がすでに限られていることを示している。２０１１年から、衛生部はセレンを食品汚染物質として規制していない。

前『食品中汚染物質限度量』は小麦粉食品中のアルミニウム残留限度量を規定していた。調査研究の結果、小麦粉食品中のアルミニウムの主要な出所は加工過程でのアルミニウム含有食品添加物（明礬など）使用であることが分かり、すでに『食品添加物使用基準』で小麦粉製品中のアルミニウム含有食品添加物の使用範囲、使用量、残留量を明確に規定している。したがって、新基準ではアルミニウム限度量を重複設置しなかった。

フッ素は人体必須微量元素だが、過剰に摂取すると人体の健康に悪影響がある。前『食品中汚染物質限度量』は穀物、豆類、野菜、果物、肉類、魚類、卵類食品中のフッ素残留限度量を規定していた。しかしフッ素に対する研究が深まるにつれて、国際的には一般にフッ素を食品汚染物質として管理しなくなっている。新基準ではフッ素限度量の規定をなくした。