経済発展のために

中国政府はなぜ今、「簡政放権」をするのだろうか？

宋暁梧氏によると、これは現在の中国経済情勢と関連がある。

２００８年の国際金融危機の後、中国経済が見せた活力といち早い回復は世界から注目された。しかし、今年に入って中国経済成長は再び疲弊を見せており、実体経済の回復は力を欠いている。

宋暁梧氏は、「中国経済が危機前のような投資主導だけで１０％以上成長できるような状態に戻るのは非常に難しい。成長スピードはすでに最重要指標ではなくなり、スピードよりも質が重要になった。雇用問題を解決し社会の安定を守れる成長のほうが重要だ」とする。

宋暁梧氏はまた、「安定成長と同時に質のことも考えなければならない。中国経済のグレードアップ版を作り上げるには、『簡政放権』を通じて社会や企業の創造活力を呼び起こし、経済発展の内発的原動力を増強することがとりわけ重要だ」と話す。

中国経済は計画経済から社会主義市場経済へと転換し、一連の改革を経てきた。目下のところ最も重要なのは資源配置方法の転換で、政府による資源配置から市場による資源配置に変えていく必要がある。市場による資源配置の基礎的作用を発揮するための鍵は、企業が資源配置の主体になることだ。それには政府が「簡政放権」することが必要なのである。