~伝統技術の伝承人・周双喜さんに聞く~
斎藤文男(南京大学日本学部専家)
世界無形文化遺産として2009年に指定されて以来、南京雲錦の素晴らしさが見直されている。同市内にある「南京雲錦博物館」には、大型観光バスの団体客や小・中学生の子供と一緒の家族連れが連日、訪れている。博物館内には木製の機織り機として世界一大きい「大花楼」があり、実際に雲錦を織っている場面を見ることができるほか、ネクタイ、スカーフ、小物入れなど雲錦製品の販売も行われている。南京雲錦織の伝承人で若い職人を指導している周双喜さん(59)に話を聴いた。
そろいの帽子をかぶり、続々と「南京雲錦博物館」を訪れる観光客
◇時間と費用を無視した貴重な文化遺産◇
Q:世界無形文化遺産に指定されて4年目となり、南京雲錦への関心が高まっていますが、雲錦の機織りに従事している人は何人ぐらいで、年齢層はどのようになっていますか。また、どのようにしてあの複雑で緻密な模様を織っていくのでしょうか。
A:現在140人ほどいます。雲錦を織る「大花楼」という木製の織り機は70台ぐらいです。昔は男性だけでしたが、女性の感覚を取り入れた方が良いものが織れることがわかり、最近は女性の人もいます。現在、男性6割、女性4割程度です。
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