郝軍氏によると、今は買い入れで養豚業の赤字状態を改善しようとしても難しく、豚肉市場が底を脱するにはやはり市場自体の調整機能に頼るほかはなく、買い入れは補助的な役割を果たせるに過ぎないという。
しかし郝軍氏は、豚肉の買い入れで最も重要なのは今後の豚肉市場への影響で、現時点での影響ではないとの見方も示している。豚肉市場は完全なる競争市場であるため、価格決定の核心力は需給の状況にある。現在、養豚企業(農家)の赤字はすでに2カ月近く続いているが、今に至るも大々的に母豚を処分する現象は現れていない。子豚と母豚の価格は依然として肉豚価格より比較的高い水準にある。つまり、伝統的に豚肉が最も消費される秋冬季になれば、豚価格はゆっくりと上がる見込みがあり、養豚業者は利益が出せる。しかし豚肉供給が不足することはなく、豚肉価格が高騰することもないだろう。
中国のCPI(消費者物価指数)に豚肉は大きく影響する。郝軍氏は、「中国の4月のCPIは3月より上がった。4月にCPIが上昇した主な原因は食品価格のうち野菜価格の上昇だが、豚肉価格の下落と野菜価格の上昇とが相殺し合ったため、CPIの上昇幅には大きな変動が見られなかった」と指摘する。
郝軍氏は言う。「豚肉価格が安定しさえすれば、CPIは安定する。年間情勢で見ると、豚肉や穀物を含む中国の農産物価格は安定に向かうはずだ」。
「北京週報日本語版」2013年5月27日 |