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右傾で「正常化」図る日本、より異常な国に

予測つかぬ深刻な影響

安倍政権の右傾化は国内の政治的必要性を満たすためである一方で、米国がこれを看過していること、ひいては奨励すらしていることと密接に関わっている。

時永明氏は、「日本は米国のアジア太平洋再均衡戦略という機会を利用している。こうしたことを背景に、米国は日本の再軍備で中国の急速な台頭に対応しようとしている」と見ている。

中国国際問題研究基金会米国研究センター執行主任の呉祖栄氏は先ごろメディアで発表した文章で、「日本は米国の中国に対する協力と抑止という両刀使いの政策を実施する上でのコマだ。米国は今、巨大な財政赤字を抱え、軍事費が逼迫している。日米軍事同盟の強化と日本の軍事力の積極的育成を通じて、その世界軍事戦略の実施において、日本から無制限にできるだけ多くのカネと兵力を引き出そうとしている」と指摘している。

しかし時永明氏は、日本の再軍備は米国の長期的利益と合致しないと見ている。日本は再軍備後におそらく米国と対等の地位を求め、自国の発展のために米国の戦略を利用しようとし、米国は日本の要求に従わざるを得なくなるだろう。時氏によれば、米国が中国を戦略的にライバル視するのは愚かなことだ。時氏はさらに、「今、米国では、ますます多くの戦略的に将来を見通している人々が中国とのパートナー関係を求めている」と指摘している。

評論家は、日本の独断専行は最終的に地域安定に不確定要素をもたらし、また地域内国家間の政治相互信頼にとっても障壁になるのではないかと懸念している。

しかしだからといって、評論家は日本の右傾化を楽観視している訳ではない。時永明氏は次のように指摘する。「日本はいわゆる民主社会だが、西側の民主とは大きな違いがある。日本では、民意と政治とは別の物だ。政治運営は派閥に握られ、往々にして民意を反映しているとは限らない。改憲に反対する人の数は多いが、影響は大きくはなく、デモ行進のレベルにとどまっている。右翼の政治力が参議院選挙で勝利すれば、改憲は必至だろう」。

そしてそうなれば、右翼思想に導かれて、日本という「正常な国」を目指す国家は、いっそう「異常さ」を増していくだろう。

「北京週報日本語版」2013年5月17日

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