国際化は第2段階へ
一国の通貨が国際通貨になるための共通基準に照らすと、人民元の国際化には次の3つの面がある。まず、域外で人民元の現金に一定の流通度があり、国際貿易での人民元決済取引が一定の比重に達していること。2つめは人民元建て金融商品が中央銀行を含む国際的各主要金融機関の投資ツールになっており、人民元建て金融市場規模が絶えず拡大していること。3つめは複数の国が人民元を外貨準備通貨として受け入れていることである。
明らかに、人民元国際化は現在すでに第2段階、つまり人民元の投資機能についての問題を解決する段階に入っている。
5月2日、中国中央銀行は適格域外機関投資家(RQFII)細則を発表し、RQFII実施における関連銀行口座開設、銀行間債券市場申請手続き開始などについてさらに規定した。国際的ファンド会社数百社がRQFII投資枠2000億の割り当てについて明確な指示を受けた。これより前に29機関がRQFII資格をすでに獲得しており、2013年3月31日現在、RQFII総額は700億元に上っている。
興業銀行チーフエコノミストの鲁政委氏は、「RQFIIはますます多くの外資機関に拡大するべき。最終的には世界に広げ、人民元建て投資募集はすべてRQFIIを使えるようにするべきだ」としている。
道のりはまだ長い
「人民元が本当の世界通貨になるには、両替を完全に可能にしなければならない」。HSBCチーフエコノミストの屈宏斌氏はこう話す。
現在、人民元は経常項目下では両替可能だが、資本項目下では両替ができない。屈宏斌氏は「現在、中国政府が資本項目規制開放のスケジュールを明確にしていないのは、人民元の通貨価値と中国市場の安定と関係がある」と考える。
国家情報センター予測部副研究員の張茉楠氏は次のような考えを述べている。「通貨の国際化は最終的には市場の選択であり、政策推進の結果ではない。人民元が国際通貨になれるかどうかのカギは、依然として、中国経済が今後20年間健全に成長し続けられるか、中国金融市場が大きく発展できるかどうかにかかっている。国内金融市場の発展が依然として滞り、金利と為替レート形成メカニズムがまだゆがんでいる現状においては、人民元国際化推進を重点にするべきではない」。
「北京週報日本語版」2013年5月10日
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