先ごろ公表された最新のマクロ経済データによると、現在中国の経済情勢は全体的に安定し良好で、第１四半期の経済成長は７．７％と合理的な範囲にあり、一部の重要経済指標も上昇に向かう兆しがある。

しかし経済運営ではまだ不確定性が高く、経済発展にもより複雑な局面が見られる。例えば、第１四半期の経済成長は安定傾向にあると同時に、都市新規就業者の継続的増加、電力使用量伸び率の急激な低下、財政収入伸び率の大幅低下など落差の比較的大きいデータが見られ、これらの落差は大変注目に値する。

今年第１四半期、全国公共財政収入は３兆２０３４億元、伸び率は６．９％で、昨年同期より７．８ポイント下がった。財政収入の伸び率は同期のＧＤＰ成長率７．７％より低かっただけでなく、財政収入の年間伸び率予算８％も下回り、これまで数年のややもすると２０％以上という急成長と強烈なコントラストを成している。

財政収入「低」成長の出現には、主にどういった要因が影響したのか？これは正常な現象なのか？政府の財力成長が鈍化しても、重点分野への資金投入と民生への支出を保障することはできるのか？

財政部財政科学研究所所長の賈康氏は、「第１四半期全国財政収入の伸び率は比較的低く、特に中央財政収入が同期比で減少した。収入減の要因としては、経済成長が落ち着いていることの影響もあれば、政府の減収策、企業への負担軽減配慮も含まれている」と話す。

賈康氏は、財政収入の主要財源は税収だと分析する。今年第１四半期、全国の税収総額は同期比で６．０％増だったが、伸び率は昨年同期より４．３ポイント低下した。主因は経済成長鈍化により経済指標と密接な関係を持つ税目収入の伸び率が低下したことだ。また一部政策減税要因もある。例えば、昨年実施した「営改増（営業税から増値税への変更）」改革の試行、生鮮農産物生産流通を支援する増値税免除政策、今年実施した上場企業株配当金への個人所得税課税方法変更、流通業発展を支援する税収政策なども影響した。