人口構造の調整、年金不足問題の積極的な対応と解決は、中国国民生活問題の焦点になっている。国際金融報が伝えた。
中国国家人力資源社会保障部の尹成基報道官は4月25日、「国は定年退職年齢の引き上げを調整するかについて、慎重に検討している。定年退職年齢の引き上げ問題は、総合的な社会政策であり、中国の人口構造の変化、雇用状況、社会保障制度の発展に基づき、適切なプランを制定する必要がある。国は関連する専門家の意見、社会各界の同問題への反応を重視しており、いくつかの要素を総合的に分析した上で同問題を研究し、調整を行うべきか否かについて慎重に検討する」と語った。
◆高齢化の加速
定年引き上げは、中国の高齢化と密接に関連している。
統計データによると、中国の15-59歳の労働力人口は2012年末時点で総人口の69.2%となり、前年比で0.6%低下した。それと同時に60歳以上の人口が総人口に占める比率が14.3%に達し、前年末より0.59%上昇した。労働力人口の絶対数が減少するのは初めてのことだ。中国の高齢者数は2050年に約4億人に達することが予想されているが、これは中国が将来的に深刻な高齢化問題に直面することを意味する。
全国社会保険基金理事会党組織書記の戴相竜氏もまた、「中国の高齢化加速はすでに事実となっている。高齢者の人数は2050年代に総人口の30%を超えると見られ、労働力人口が減少を始め、中国が人口から得てきたメリットが失われることになる」と指摘した。
戴氏は、「高齢化による最大の問題は、年金不足の深刻化だ。中国の現在の保険業資産総額は6兆元を超えているが、年金関連の資産は約1兆元のみで、都市部・農村部住民の貯蓄総額は約40兆元に達している。高齢者を扶養できるように見えるが、資産の多くは富裕層に握られており、その価値維持・増加も困難だ」と語った。
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