人民元国際化の道はまだ遠い
現在、豪ドルは世界第5の貿易通貨だ。商務部国際貿易経済協力研究院国際市場研究部副主任の白明氏は、「豪ドルとの通貨直接取引の実現は、人民元が国際化に向かって一歩を踏み出したことを意味しているが、人民元と大部分の国際主要通貨が直接リンクしたとしても、それは人民元が国際通貨になったことを意味するわけではない。人民元が国際市場で『ハードカレンシー』になった時に初めて人民元が国際化したと言える」とする。
中国社会科学院世界経済・政治研究所研究員の余永定氏は次のように述べる。「人民元国際化の鍵は国際社会が人民元を使いたいと考えるかどうかだ。その背後には2つの重要なベースがある。1つは中国の経済実力、つまり国際貿易における人民元決済貿易の地位だ。この点については、中国の影響力は大きくなりつつある。2つ目はオフショア市場の構築、つまり海外で一定量の人民元需要があることだ。しかし、人民元のオフショア金融センターは今も香港が主導している」。
余永定氏は、「人民元国際化には自身の内部で多くの問題を解決する必要がある。例えば、人民元国際化プロセスの加速に伴って、金利の市場化、為替レート制度改革、中国資本プロジェクトの開放といった問題をどうやって処理するかなどだ」とする。
余永定氏はさらに次のように述べている。「今は、中国の金融市場発展が不完全で、為替レートと金利もまだ市場化されておらず、金融機関リスク管理レベルが低く、発展モデルが持続可能なものではなく、資産バブルと流動性過剰の問題が存在している。このような前提の下では、人民元国際化の加速は実行可能とはいえない」。
「北京週報日本語版」2013年4月19日 |