――ポルシェはドイツブランドです。ここ数年、中国ではドイツブランドの人気がますます高まってきました。ポルシェはなぜ中国人を引きつけるのだとお考えですか?
最も重要なのはブランドだと思う。私たちは終始ニッチメーカーとしてやってきた。ポルシェの昨年の生産台数は14万台で、世界的に言えば小さな自動車メーカーにすぎない。昨年、世界の多くの高級車の生産台数は100万台を超えている。14万台という生産台数は比較的少ないが、これは私たちにとっては良い事だ。私たちは自分を「エキスパート」だと考えているからだ。私たちはブランドをより重視している。私たちの車はすべてドイツで製造されており、現地化したことはこれまで一度もない。もちろん現地化が良くないというのではない。ただ、現地化しないことで、私たちのブランド価値をより際立たせることができるのだ。
――近年来、中国政府はずっと「資源節約型」と「環境友好型」社会の建設を提唱しています。この方面で、高級車や自動車業界はどのような貢献ができるとお考えですか?
自動車メーカーもできる限りエネルギー使用効率を最適化し、低炭素化の道を歩んでいる。ポルシェを含む多くの欧州自動車メーカーはすでに新技術で生産されたディーゼルエンジンを欧州で採用している。よりクリーンで高効率、燃費がよく、非常に経済的で使用に適しているが、中国ではまだ普及していない。
もう1つの趨勢は、電動自動車などを含むハイブリッド車の普及だ。しかし、電動自動車の普及はまだ少し難しい。私の知るところでは、上海市では税金優遇などの政策で電動自動車の普及を促進しようとしおり、これはとてもいい措置だと思うが、それにはインフラが追いついていかなければならない。個人的には、中国の電動自動車普及までの道のりはまだ長いと思う。
また、中国の燃料品質を向上させることが重要だ。深刻な大気汚染が発生して以来、北京では政府が新たな燃料基準を打ち出そうとしていると聞くが、これは非常に重要な一歩だ。それから旧型車をどう処理するかも問題だ。欧州には、汚染が深刻な旧型車を早急に市場からなくすための「旧型車から新型車への買い替え」優遇政策があるが、中国も関連政策を検討する必要がある。
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