民生が財政支出の重点に
「中国は積極的財政政策を実施する中で、民生優先を堅持し、民生の保障・改善への投入を大幅に増やし、改革と発展の成果を数多くの国民がより良く分かち合えるよう努力していく」と賈康所長は語った。
今年の財政予算報告によると、財政支出は民生分野への傾斜をいっそう強め、中央財政の教育、医療衛生、社会保障と就業雇用、保障性住宅(低所得者向け廉価住宅)プロジェクト、文化などに対する支出予算に総計1兆5712億5000万元を割き、2012年の予算に比べて13.5%増、2012年の実際の執行額より9.6%増となった。
上述の支出において、社会保障と就業雇用は大きな割合を占め、2013年の予算支出は前年比13.9%増の6550億8100万元になっている。2012年末、都市・農村部住民の社会養老保険制度の全カバーを実現したが、60歳以上の高齢者1億3000万人が月ごとに養老年金を確実に受け取れるようにすることは、政府財政の重要な任務である。
また、教育への支出割合が著しく増加している。2013年の教育予算は前年より9.3%増え、2013年のGDP成長率7.5%を上回った。復旦大学経済学院の孫立堅副院長によると、中国の教育への支出割合が「4%」を突破することは大きな意味を持ち、単純な粗放型の経済成長モデルから知識と教育による高付加価値化した経済成長モデルへ転換するためには、教育を強化しなければならない。
「三農(農業・農村・農民)」への支出も政府財政支出の重点である。中国の農業機械化のレベルは極めて低く、この状況を変えるために、中国政府は三農への投入を絶えず増やしている。2013年中央財政の三農への支出予算は前年比11.4%増の総計1兆3799億元になっている。戴柏華報道官によると、2013年の三農への財政支出は、主に農業生産支持、農民への食糧直接補助、農業機械購入補助など4つの補助金、また農村の教育・衛生などの社会事業の促進に用いられる。
また予算報告は、今年、大気汚染対策に力を入れることを強調した。年初、中国東部の広い範囲で有害物質を含む濃霧(煙霧)が続いて発生したため、環境保護問題が再び注目され議論の的となった。2013年の省エネルギー・環境保護への予算支出は前年比18.8%増の2101億2700万元となっている。この増え幅は2013年の各予算支出増え幅のうち2番目に多いものだ。第1位は医療衛生への予算支出増え幅の27.1%である。
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