開幕式で政府活動報告を行う温家宝総理
3月5日、第12期全国人民代表大会第1回会議が北京・人民大会堂で開幕した。今年は政府指導部交代の年に当たる。温家宝総理が当日国務院を代表して行った政府活動報告は、総理にとって最後の今期政府を代表しての報告であった。温家宝総理は報告で、10年来、特にこの5年来の政府の活動を振り返り、今年の中国経済社会発展の全体要求、主要目標とマクロ経済政策を提起し、今年の政府活動に対する提案を行った。
今年の活動報告は明らかに短く、10年来で文字数が最も少ないものだったが、民生問題が最も重要な位置に置かれ政府活動の最重要課題となったことを重点的に強調した。同時に、過去の活動の問題と不足、今後政府が直面する困難と試練についても避けずに言及した。
「成長」、「健康」、「権益」、「保障」、「改革」が今回の政府活動報告の五大キーワードとなった。これらは収入増加、生態環境、農民の権利・利益、医療保障、政府改革などの分野における社会の期待と要求にほぼ応えており、政府活動の問題と不足に正面から向き合ったと同時に、政府と人民との間に利益訴求の面で多くの共通認識があることも体現している。
ざっと文字数を集計したところ、1万5000字の報告のうち、民生の改善と保障については2000字以上と最も長く、最も重点が置かれていた。温家宝総理は報告で、今年の政府主要活動に対し4つの面で提案を行い、「民生の保障と改善を重点とし、人民の物質文化生活レベルを全面的に高める」ことを強調した。
政府活動報告は中国の現在の経済社会発展に存在する矛盾と問題を391字で総括し、「政府職能の転換が十分でなく、一部の分野で腐敗現象が多発しやすい」、「経済発展と資源環境の矛盾が日増しに激しくなっている」、「都市と農村、地域間の発展格差と住民収入分配格差が大きい」など、11の方面に言及した。
昨年に続いて、PM2.5が政府活動報告に盛り込まれた。また今年の政府活動報告では、エコ文明建設に言及した際にこれまでとは異なる記述がなされた。今年の経済成長目標の部分では、経済成長は「生産要素の供給能力、資源環境の許容能力と適応するべき」とし、「人々の身近な利益に関係する大気、水、土壤など際立った環境汚染問題の解決」に言及した箇所では、「実際の行動で人民に希望を見せる」とした。
「北京週報日本語版」2013年3月7日
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