中国の執政新風について、英フィナンシャル・タイムズ紙は「正しい認識は正しい行動を取るための前提だ」と論じた。2012年12月4日、新指導部は発足後初の中央政治局会議を開き、仕事の取組み姿勢改善と民衆との密接なつながりに関する8項目の規定について審議し、「党風廉政建設(廉潔な政治を行う党風樹立)は中国共産党中央政治局から始まる」というメッセージを外部にはっきりと伝えた。
2012年12月7日から11日にかけて、習近平総書記は深圳、珠海、仏山、広州を視察した。11月21日、北京・中南海の国務院第一会議室に、全国11の改革試験省・市の責任者が集まった。会議を主宰する李克強副総理は「改革は中国にとって最大の『ボーナス』だ」と強調。この言葉は民衆から大きな注目を集めた。これは新指導部がさらに大きな知恵と勇気を持って、時期を逃さずに重点分野の改革を深化させることを示している。
中国国内では、人々は指導者層が発した政治的シグナルを鋭く捉え、それに応じた行動を起こしており、官民がともに改革の新局面を切り開くというかつてない状況が生まれている。「インターネット上の反腐敗リレー」を通じて、多くの高官が汚職を摘発されて失脚した。習総書記は「腐敗を必ず取り締まり、汚職を必ず一掃し、『虎(大物)』も『蝿(小物)』も共に叩き、権力運用に対する制約と監督を強化し、権力を制度の『籠』に閉じこめる」との決意を表明した。
改革の方向をめぐる討論は全国へと広がり、徐々に「マクロ改革」と「ミクロ改革」という概念、即ち「トップダウン設計」(指導層の構想)を末端の大胆な実践や試みと結び付けながら着実に推進するという共通認識が出来上がってきた。討論においては、政治体制改革の重要性が強調され、党の指導方式と執政方式の改善、党の指導による有効な国家管理の確保、民衆の法に依る権利と自由享有の確保といった基本的方向が浮き彫りになった。「中国の再出発」、「改革の再出発」という共通意思の下に、われわれは新しい10年がまもなくスタートすることを信じる。これからの10年は、「GDP至上」を捨て、民生優先を堅持し富国強民を推進する10年になるだろう。
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