世界的大変革と大調整は2013年も引き続き行われ、その程度の深さ、範囲の広さ、変化の複雑さはさらに際立ってくるだろう。中国周辺地域の関係再編とメカニズム調整が引き続き進み、地域のホットイシューや難題は再び硬直化が生じる可能性があり、米国、ロシア、日本、東南アジア諸国連合(ASEAN)、インドなどの主要国・連合体は関連政策を推進する上で戦略調整を行うと見られる。中国の周辺環境に新たな状況と特徴が現れ、政策の思考と実際の対応において圧力が増していく。
アジア太平洋情勢に3つの傾向
2012年、いくつかの傾向が複合的に作用する中で、アジアと西太平洋地域全体の内在的連動が持続的に強化された。2013年、この趨勢はまだ続くだろう。
第1の傾向は、米国が「プレゼンス維持」、「指導的地位の再強化」を核心的目標とするアジア太平洋戦略を引き続き推進し、中東(西アジア)と東アジア、西太平洋との結びつきを緊密化させることだ。
第2の傾向は、プーチン政権下のロシアがアジアと西太平洋地域をますます重要視するようになることだ。ロシアは米国に最も重要なライバルと見なされないことでもたらされた重要なチャンスを利用し、極東地域の開発を断固として進め、ユーラシア大陸をつなぐ架け橋とルートとしての役割発揮に努める。
第3の傾向は、上海協力機構の「アジア地域における最も重要な多国間メカニズム」としての影響がさらに顕著になることだ。同機構は2012年北京サミットで加盟国を増やし、今後10年間のエネルギー、貿易、交通、金融などの分野における協力を図った。2013年、同機構内部の連携と周辺地域への影響が顕著に強まり、中央アジア諸国の同機構に寄せる期待も高まっていくだろう。
地政学的戦略の角度から見れば、この3つの傾向に加え、中東(西アジア)、中央アジア、南アジア、東南アジア、東アジアの間にもともと地政学的連携があり、さらにはエネルギーと海上戦略の通路としての役割もあって、アジア大陸の東西両翼の連動が強まりつつあり、西太平洋も含めた1つのブロックとして、世界的戦略構造における地位がいっそう高まっている。
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