経営効果から見ると、家庭農場は専業農民を育成し、若者を農村で農業に従事させるための有効なルートとなっている。家族構成員を主な労働力とし、農業による所得を世帯の主要な所得源とするため、家庭農場は発展の過程において世代間伝承や新旧世代交代が自然と行われる。寧波市に属する県級市の慈渓市に対する取材から、所得の最大化を実現するため、同市では多数の家庭農場の若者が出稼ぎに行かずに家に残って農業に従事していることが分かった。家庭農場の規模拡大効果によって、農業に従事するこれらの若者はかなり多くの所得を手にすることができるようになった。彼ら自身にも専業農民らしさが備わってきている。
同時に、家庭農場の適度な経営規模拡大は、商工業資本が農業になだれ込み、大規模かつ長期間にわたって農地占用する状況を是正するものでもある。商工業資本の農業への流入は資本、技術、管理などで強みをもたらすと同時に、「規模が大きすぎる、食糧生産以外の経営を行う」などの問題も存在している。家庭農場の経営規模は1つの世帯の目が行き届く範囲に限られ、経営規模拡大ときめ細かい管理を巧みに融合し、収益の最大化を達成することができ、「規模が小さいと効果がない、規模が大きいときめ細かさに欠ける」という二重の弊害を回避している。
中央1号文書が言及した家庭農場を発展させる方向は定まったが、スタートしたばかりであるため、家庭農場の育成発展は順を追って徐々に進める必要がある。今後は家庭農場の認定基準や登録方法を明確化し、税金、用地、金融、保険など関連支援政策も早急に制定・実施するべきである。
「北京週報日本語版」2013年2月21日 |