2013年の中央1号文書は、土地請負制から専業農家、家庭農場、農民合作社への転換を奨励・支援することを提起した。新型の農業経営主体としての農業「家庭農場」の概念が初めて中央1号文書に盛り込まれ、議論を呼んでいる。今後の農業発展を指導する中央1号文書が「家庭農場」の発展に言及したことは、どんな深い意味をもつのか。
農業部農村経済体制・経営管理司の責任者によると、「家庭農場」とは家族構成員を主な労働力とし、農業の規模化、集約化、商品化を方向性とした農業生産・経営を行うと同時に、農業による所得を世帯の主な所得とする新型の農業経営主体を指す。ここ数年来、上海市松江区、湖北省武漢市、浙江省寧波市などでは家庭農場の育成が積極的に進められ、農業部が確定した農村の土地転換の規範化管理とサービスのテスト事業実施地域33カ所には、すでに6670カ所余りの家庭農場がある。
生産実践から見ると、家庭農場は農家を主とする農業生産経営の特徴を堅持すると同時に、経営規模を拡大し、家族経営の「効率が低く、規模が小さく、バラバラ」という問題を解決した。中央農村工作指導グループの陳錫文副組長・弁公室主任によると、「世界各国の農業生産経営を見渡してみると、農家を主としないところはなく、家族経営方式はずっと取って代わられることはなかった。しかし、農業の発展に従って、家族経営方式には『規模が小さく、コストが高く、リスクが大きい』という問題点があることが表面化してきた。農業生産経営に従事する農家の特徴を堅持すると同時に、適度な経営規模拡大を通して、集約化、商品化で農業の効率向上と農民の所得増を促すことができる家庭農場は、両者を結びつける最も良い方法であるに違いない」という。
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