中国の最も賑やかな伝統的祝日「春節」(旧正月)には、ギョーザを作ったり、爆竹を鳴らしたり、廟会(縁日)を巡ったり、親戚などの家へ行って新年の挨拶をしたりするなど伝統的風習が欠かせないものだ。しかし現在では多くの人々が新たな過ごし方を追い求めるようになり、巳年の旧正月にはいくつかの新たな傾向が見られた。
爆竹を控えて空気をきれいに
旧暦一月一日に当たる10日の広州では、ここ18年来毎年大晦日に打ち上げられてきた花火の代わりに、ミュージックイルミネーションのショーが行われた。広州市が旧正月の花火大会を取り消した主な理由は、花火による市中心部の大気環境への影響を減らすことだ。
旧正月前、全国の多くの省を覆っていた有害物質を含む濃霧は、交通や生活に大きな影響をもたらした。これについての反省が人々の新年の祝い方にも影響を与えた。中国の最も重要な祝日である旧正月の間、耳をつんざくほどの爆竹の音がいくらか小さくなった。
旧暦大晦日に当たる9日までの北京市の花火や爆竹の販売量は前年同期比で4割近く減少した。上海市では、多くの市民が特定の場所・時間帯だけ爆竹を鳴らし、量を控えた。旧暦大晦日から一月一日まで、上海市の市中心部で出た花火や爆竹によるごみの量は約700トン余りであり、昨年に比べ2割減った。
南京市環境監測センターの陸暁波技師は「大気の質は以前よりだいぶ良くなってきている」と語った。南京市の大気質のリアルタイム・モニタリングによると、旧暦一月五日に当たる14日、汚染の最大値は深夜1時に現れたという。比較可能なPM10のデータに基づくと、昨年同時期に、南京市にある9つの公式モニタリングポイントのPM10平均値は1立方メートルに付き547マイクログラム。今年の平均値はそれに比べ7割近く減少し、1立方メートルに付き186マイクログラムとなった。
旧暦一月一日に当たる10日、広州で行われたミュージックイルミネーション
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