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「食糧浪費」の背後にある仕組みの危機

中国飲食文化の改革が必要

張毅(中国社会科学院研究員) 世界の先進国と比べると、中国人は最も食べ物を無駄にしている。中国で暮らす外国人は、食事の後食ベ残しの量が多いことになじめずにいる。

王洪明(ベテランのメディア関係者) 半分くらいは残さないといけないのではないか。私の経験だが、以前食事を人にご馳走した時に、相手が皿の上の料理を全部きれいに食べてしまったことがあった。その時最初に感じたのは「メンツがつぶれた」ということだ。これではホストである自分のメンツが立たない。3分の1か、ひいては半分は残してもらわないと……楽しく食事をして、さっと帰ってもらうのがいい。

張 国外では自分が食べるものを一皿ずつ頼む。鶏肉か、魚か、牛肉かなど、自分が食べたいものを別々に頼んで、皿に残ったものは自分で食べる。パンで皿のソースをきれいにふき取って食べる。こうして残さず食べれば、皿洗いの人がとても楽になるからだ。中国で今重視すべき現象は2つある。1つは料理をたくさん注文しすぎること。2つめは中国人の肥満率が高いのは食事面の原因の影響が大きく、毎年の増加スピードがかなり速いことだ。

王 テレビで公費での飲み食いの件をやっていたが、宴席にはアワビやエビの類があり、全く箸がついていなかった。店員に値段を聞いてみると、680元だと言う。680元はくず拾いのお婆さんが2カ月間に消費する金額に相当する。だから公費での浪費は人々の怒りを買いやすい。

張 庶民の政府や役人に対するイメージもダウンする。一般の人たちが普段浪費することは少ないが、結婚式や誕生祝の際には浪費が激しい。特に農村では、酒の浪費が多いことが1つ。もう1つは食べ物だ。食べ物が残らないということは、自分の招いた客人がお腹いっぱい食べられなかったと考えるのが一般的。風俗習慣と消費文化も改革が必要だ。

王 西洋では1人前ずつ出すのが習慣で、基本的に浪費の余地が小さいが、中国料理の形式は浪費を生みやすい。

張 他にも、中国料理の改革の問題がある。市場経済条件下ですでに大きな変化が起きてはいるが、日本が西洋料理を取り入れた後の日本料理の改革のようにはいっていない。例えばパン1個の大きさ、砂糖と小麦粉をどれだけ使うと発酵後の重さはどのくらいになるのかなどが完全に標準化されている。日本のスーパーで買い物をするとジャガイモやリンゴはどれも形が揃っているが、中国ではご飯1杯の量はコックの加減次第だ。

翟留栓(中国農業大学教授) 標準化には、量をコントロールできるというメリットがある。日本に来たばかりの頃は、日本人はケチだと思っていた。自分はラーメンを2杯食べるのに、彼らはご飯1杯だけ。これではまったくお腹いっぱいにならない。でも後になってから、日本人はお腹がはちきれそうになるほど食べないことに気づいた。中国人はお腹がはちきれるほど食べて満腹になったと考えるが、日本人は栄養が足りていれば満腹と考える。

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