各国には理性が必要
半島情勢がどこに向かうかは、金正恩政権がどのような判断を行うかによる。朝鮮は主権国家として、核エネルギーと宇宙を平和利用する権利を有している。この権利は国際社会からなんらかの形で尊重されるべきである。しかし今世界には、国際社会の共同利益と国連安全保障理事会決議の制限を無視し、隣国の戦略と安全福祉を顧みず、代償を考えずに好き勝手な振る舞いができる国はどこにもない。
朝鮮の「核ミサイル計画推進で対米交渉における地位を上げる」という考え方は、新たな脈絡で見直すことが必要だ。核兵器とミサイルだけを引き換えに本当の安全を手に入れることはできないし、対朝関係改善という米国の誠意を得ることもできない。朝鮮は核ミサイル計画推進より時代の潮流に合わせてもっと自己調整をし、民生を改善し、対外的な対話交流の拡大に努める行動のほうが、よりいっそう国際社会の理解や同情、尊重を得られるはずだ。
米国と韓国は、朝鮮が募らせている危機感は長い過程を経て醸成されたもので、外国が繰り返し実施してきた経済封鎖や制裁が主な根源であることを理解する必要がある。異なる意識と戦略利益に基づいた封鎖は根本的に朝鮮政権を変えることはできず、国際社会の立場を苦しくする意外な行動へと朝鮮を走らせることになるだろう。
半島情勢は総合的な管理が必要で、朝鮮だけに安全保障自衛能力の放棄をひたすら強制しようとするのは非現実的だ。各国がいわゆる「朝鮮の脅威」を実際に即して評価し、不利な情勢下で朝鮮が自身の安全を守ろうとする本能をもっと理解し、口先だけに留まらない善意をもっと朝鮮に示し、実際の行動で朝鮮への敵意がないことを示すことは、半島情勢の緩和にとってプラスとなるだろう。
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