朝鮮が再び核実験を行えば大きな可変的要素に
(呂超 遼寧社会科学院朝韓問題研究センター主任)
朝鮮半島では、金正恩(キム・ジョンウン)氏の新年挨拶は経済建設計画や対外関係などに触れ、この数年来最も穏やかなものだった。朴槿恵(パク・クネ)氏も大統領当選後に対北関係の改善を打ち出している。李明博(イ・ミョンバク)大統領時代の対朝関係は比較的厳しいものだったと言えるが、朴槿恵大統領はより積極的な措置を取ると見られる。
朝鮮半島について言うと、六カ国協議が再開され、関連各国が交渉で紛争を解決することも期待している。しかし依然として可変的要素は存在し、朝鮮半島の緊張情勢が緩和されるか、朝鮮が衛星を発射するか、特に3回目の核実験を行うかどうかに広く注目が集まっている。事実を踏まえて考えてみると、朝鮮が再び核実験を行えばすべての外交努力が水泡に帰する。しかし、金正恩氏は新年挨拶で核実験や非核化については触れなかった。朝鮮の新しい指導者は時機を判断し情勢を推し量り、この問題を慎重に処理していると信じる。
中日韓の3カ国協力体制にも触れておきたい。すでにソウルに事務所は設置されたとはいえ、進展は遅い。3カ国は経済相互補完性の強さと協力の将来性を肯定してはいるが、その一方、政治的原因により協力には多くの困難が生じている。日本が対中・対韓関係で積極的な態度を取れば、中日韓3カ国経済協力の促進には希望が持てる。
さらに重要なのは米国のアジア回帰政策だ。2013年の中米関係が協力を主としたものになるか対立を主としたものになるかは注目に値する。これもアジア太平洋地域の平和安定を決めるキーポイントである。
「北京週報日本語版」2013年1月21日 |