10年の時を経て、中日韓自由貿易協定交渉がついに正式に始まった。中国商務部のウェブサイトは20日、カンボジアのプノンペンで開催された東アジア首脳会議期間中、中日韓3カ国の経済貿易担当相が会談し、中日韓自由貿易協定の交渉開始を宣言したことを伝えた。
東アジア経済貿易枠組の重要な構成部分として、中日韓自由貿易協定の進展はずっと国内外メディアの関心を集めてきた。中日韓3カ国はいずれも世界の重要な経済体であり、互いに重要な貿易投資パートナーであり、世界の産業チェーンの役割分担の上で密接な協力を行っている。2011年、3カ国の経済総量は14兆ドルに達し、世界のおよそ5分の1を占めた。専門家は、「3カ国間自由貿易協定の成立は、3カ国の経済貿易連携を強め東アジア地域の経済融合を促進するとともに、米国の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を通じたアジア太平洋配置という挑戦にも対抗できる」としている。
中国社会科学院世界経済・政治研究所国際貿易研究室主任の宋泓氏は次のように述べる。「中日韓自由貿易協定の関連研究はすでに何年も行われてきた。交渉の正式な開始は、3カ国が経済貿易取引を深める上で良好なスタートになるに違いない。実際、ここ数年来、市場の牽引の下で中日韓3カ国の経済貿易融合はすでにかなり進展しており、3カ国もそれぞれASEANとの間に自由貿易協定を成立させている。しかし依然として体制枠組内の正式な配置が欠けている。自由貿易協定は投資、貿易、サービスなど多分野の一体化配置を含み、より特典的な貿易・投資条件を通じてメンバーの経済利益を緊密に結びつけるものであり、また経済利益の融合によってメンバー間の政治・外交関係も強化され、様々な利益共同体が形成される」。
中国人民大学経済学院副院長の王晋斌氏は次のように語っている。「中日韓はアジアで最も重要な経済体であり、アジアGDPの70%を占める。中日韓自由貿易協定が成立しなければ、アジアには実質上重要な自由貿易協定が存在しないことになる。短期的に見れば、金融危機後経済は次第に回復しており、また健全に発展していってほしいという願いが中日韓自由貿易協定成立の加速を現実のものとした」。
調べたところでは、中日韓3カ国は経済構造上非常に良い役割分担体系を持っている。特に1970年代末以降、中国と日本、韓国の投資関係と貿易関係は次第に活発になり、中国は日本や韓国から移転した生産能力を受け入れ、世界の加工貿易・製造センターとなり、一方日韓はハイエンド部品メーカーとして独特の優位性を築いてきた。
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