米はなぜ無邪気にも日本の戦略を読み違えているのか
米国が日本に対し間違った戦略判断をする根本的原因は、主に以下の点によるものではないか。
(1)米国は第2次世界大戦終結後、終始「戦勝国の戦敗国に対する」優越感を持っていた。米国人にとって日本は第2次世界大戦の敗者にすぎなかった。そのため優越感が米国の対日戦略を決定する主な要因の1つとなった。
(2)第2次世界大戦終結以来、日本政府は基本的に米国に追随し命に従うという対米戦略思想を貫いてきた。一時は軍事、経済、ひいては国内政治の主導権まで放棄したことすらある。そして米国が日本の内政をコントロールする上で「権力最大化」の優越感に浸りきっていたがために、日本の隠された対米戦略と対外戦略に対し麻痺と油断が生じた。こうして、日本政治、経済、ひいては軍事が次第に強大になるために必要な条件が作り出された。
(3)昨今、日本国内は確かに様々な問題に悩まされ、経済力低下に加えて政治情勢も混沌としているため、「日本は没落しつつある」という印象を持ってしまいやすい。このようなことを背景に、米国は日本に対する統制と束縛をほぼ完全に緩め、国連平和維持活動への参加やインド洋上米軍軍艦への燃料補給、自衛隊の海賊対処行動への参加を要請するなど、日本の国際影響力向上のためにお誂え向きの「役回り」をタイミングよく提供した。日本の国内経済が勢いを失ったがために国際地位向上の面では勢いが増し、日米同盟関係の強化に特に有利な条件が出来たと言えるだろう。
釣魚島問題が急激に大きくなった背景には、日本が長期にわたって隠し続けてきた国家戦略の表面化と、日本の国家戦略を米国が無邪気にも間違って判断してきたという2つの事実が浮かび上がってくる。しかも、日本の外交政策の独立性、自主性が高まるにつれて、米国要素の影響力は弱まっていくに違いない。このことから、米国は対日政策を見直し、日本の対米「依存関係」の真実性と信憑性を詳細に考察するべきなのは明らかである。
「北京週報日本語版」2012年11月5日 |