――演出家李建軍氏に聞く
本誌日本語専門家 勝又あや子
10月末から11月後半にかけて東京で開催される国際舞台芸術祭「フェスティバル/トーキョー(F/T)」に、中国の若手インディペンデント演劇集団、新青年芸術劇団が参加する。上演作品は『狂人日記』。言わずと知れた魯迅の名作だ。「80後」と呼ばれる1980年代生まれの若い世代が、なぜ今、魯迅作品を取り上げるのか。
アジアの若手アーティストが東京に集う
F/Tは東京、日本、そしてアジアを代表する国際的な舞台芸術の祭典で、2009年以降毎年開催され、今年で5回目を数える。国内外から集結する先鋭的な舞台芸術ラインナップとフェスティバルならではの参加型プログラムで、大きな話題を集めている。
そのうちコンペティション部門の「公募プログラム」は、アジア全域から若手アーティストの新たな才能を発掘し、参加団体の交流を通してアジア演劇のプラットフォームとしての役割を担おうとする意欲的な試みだ。
このコンペティション部門に中国から参加する新青年芸術劇団は中国インディペンデント演劇界の注目株。メンバーのほとんどが「80後」(80年代生まれ)という若いカンパニーである。この劇団で、演出家として中心的な役割を発揮しているのが李建軍さんだ。
新青年芸術劇団の演出家、李建軍氏(筆者撮影)
|