しっかりと転換しつつある企業
史氏は多くの企業に接触し研究する中で、次のようなことに気づいた。現在、中国の多くの輸出企業はこれまでの欧、米、日三大市場に過度に依存した状況から多元化へと向かいつつあり、ラテンアメリカ、アフリカ、中東などの市場潜在力を発掘している。多くの新興工業国は急成長しており、購買力が向上しつつある。これらの国々では、欧米製品よりも中国製品のほうがコストパフォーマンス面でより適しているだろう。自動車など中国の一部ハイエンド製品は、欧米市場に進出するのは難しいかもしれないが新興国の消費者には適している。中国の大口輸出商品、例えば携帯電話、コンピューターのような情報電子製品などは、自主ブランドで、コストパフォーマンスが高く、発展途上国でも非常に人気がある。
次の段階に中国の輸出が直面するだろう多くの困難と不確定性について史氏は、「このような状況下においては、中国企業はさらに主体的に戦略調整を行い、自ら機会を探すことが必要だ」と話す。史氏によると、輸出型企業にとって選択肢は次の3つしかない。1つは内需に転じ、国内市場を拡大すること。2つめは輸出を継続し、ブランド効果を高めること。3つめは他の業界に転じることだ。この3つの選択に優劣はなく、企業1つ1つが自社の状況に応じて最も有利な道を積極的かつ主体的に分析するべきである。
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