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日本人残留孤児の中国養父母を慰問し続け20年

 

「養父母が一人になっても続けたい」

東京中国歌舞団が主催する「養父母慰問コンサート」は、私が参加した後も毎年実行され、今年20周年となった。今年の訪中慰問コンサートの準備に忙しい8月下旬、劉錦程団長と副団長の陽二蓮さんを、東京北区の歌舞団事務所にお邪魔した。

養父母慰問コンサートで日本と中国の歌を歌う陽二蓮さん (東京中国歌舞団提供)

 

「毎年中国を訪れて、20年間も慰問コンサートを続けることは、なかなかできることではありませんね。」と話を向けると、劉団長は次のように語った。

「毎年、多くの日本人が協力してくれたお陰で、これまで続けることができました。20年間も続いたことは感慨無量です。母が話してくれたように、中国人の養父母がいなければ、私はこの世に存在していません。養父母には心から感謝しています。その気持ちを表そうと毎年訪問しているのですが、養父母からは『こんなに遠いところまで、わざわざ訪ねて来てもらい本当にありがたいことです。』と、逆に感謝されて恐縮してしまいます。養父母の多くの人たちは、『自分たちは当たり前のことをしただけ。あのような状況になれば誰でも私たちと同じことをすると思います。』と言いますが、極限に近い状態で自分たちの生活も満足にならない時に、戦争をしている敵国の子供を助けるということは、深い人間愛がなければできないことです。戦後67年。あれから随分時間が経ちました。養父母も高年齢になり、毎年亡くなっていくのはとても寂しい。養父母が一人になっても慰問コンサートは続けます。その後は、養父母の家族や私の友人、知人もたくさんいるので、今後もできるだけ長く続けていきたい。」

養父母への感謝の行動が、逆に養父母から感謝され、感謝の増幅は日中間に信頼と思い遣りの心が往来し、燎原の炎になって広がり、その絆が日中関係の強固な基盤になって行くように思えた。

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