退職年齢引き上げだけで問題は解決できない
養老金の圧力が高まったことで、「退職年齢引き上げ」を表立って取り沙汰せざるを得なくなった。尹成基氏によると、人力資源・社会保障部は現在、退職年齢引き上げの実行可能性を検討しており、適切な形で十分に各方面の意見を聴取する予定だという。
中国の退職年齢は1970年代に制定されたもの、すでに約40年が経っている。この期間に、想定寿命は7歳以上高くなった。
人力資源・社会保障部の説明では、退職年齢を5歳引き上げれば、養老金の不足分を毎年200億減らすことができる。しかも退職年齢引き上げで保険料負担期間が長くなり、待遇計算式に基づくと、加入者が受給する退職養老金の額も増えることになる。
しかし退職年齢引き上げだけでは、高齢化による中国養老金体系の圧力を克服するには不十分だ。退職年齢を引き上げても、2050年までの養老金収支不足を補充するために必要な財政補填は全国財政支出の9.9%を占める。しかも現在の不足分2兆2000億元と比べると、毎年200億元が減ったところで取るに足らず、「空口座」が拡大し続ける現実を変えることはできない。
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