人口ボーナス消滅で養老金にも影響
中国では現在人口ボーナスが次第に消滅しつつあり、これが養老金「空口座」規模の増大を助長すると見られている。「高齢化の影響で、退職者数がますます多くなり、退職後の養老金受給期間も長くなっている。その結果、国の養老保険支出がますます膨大なものになった。一方就労適齢人口の割合が下がって保険料負担者が減り、養老金支給は困難になるだろう」と鄭秉文氏は話す。
1960~70年代は中国のベビーブーム期で、現在この時期に生まれた人々がちょうど就労適齢期にある。その後は計画出産により出生者数が減り始め、あと20年後に今の就労適齢者が高齢者の仲間入りをする頃には、保険料負担者が養老金受給者の数を大きく下回る。2000年~2010年、中国の就労年齢人口は約1%しか上がっていない。2015年には中国の就労年齢人口が減少に転じ、中国の「人口ボーナス」は消滅すると見られている。
現在、中国社会基本養老制度のカバー人口は2億6000万人で、そのうち1億9000万人が保険料負担者、残りの6300万人が養老金受給者だ。鄭秉文氏の試算では、今後高齢化社会がピークに達した時には、2人の若者の保険料負担で4人ひいては5人の高齢者への養老金支給を支えなければならない。
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