反省
中国社会科学院国際貿易研究室主任の宋泓氏は、中国のレアアース生産、輸出管理規制は環境保護のためであり、この準則はWTOにも許可されている。しかし米欧日の提訴理由は、中国がWTO加盟当初公約した輸出規制対象品目リストにレアアースが含まれていなかったというもので、これは中国にとって不利である。中国はWTO加盟時に84品目についてのみ関税徴収することを公約しており、これにはレアアースは入っていなかった。
米欧日にとっては、訴訟の勝ち負けにかかわらず中国はレアアース汚染対策を進めるだろうし、汚染がひどい国内レアアース採掘企業は閉鎖するため、輸出はやはり制限される。一方、中国にとって今重要なのは訴訟の勝ち負けではない。レアアース汚染対策がなぜこのような国際的紛争に発展してしまったのかを、関連部門は改めて考えなければならない。
国が毎年レアアース採掘・製錬に対し指令性計画を出しているにもかかわらず、おおもとがきちんと管理されていないため、企業の違法採掘、レアアース鉱加工、割当制適用を逃れた輸出や密輸などといった行為が常態化している。
対外経済貿易大学中国WTO研究院副院長の屠新泉氏は言う。「おおもとを管理するには、レアアース資源開発と産業発展を統一的に計画し、レアアースなど戦略資源の鉱業権許認可のハードルをさらに上げなければならない。これまで認可した鉱業権のうち関連政策規定に合致していないものはすべて撤廃し、統合する。中でも産業統合は極めて大切だ。産業集中度が高まった暁には、政府の管理規制は必要なくなり、大企業自身に市場優位性に基づく生産量・価格管理の意識と能力が備わるだろう」。
「北京週報日本語版」2012年8月20日
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