――目下の危機で米国が果たしている役割をどう評価しますか？

米国はなんとかしてシリアに死と破壊を経験させようとしている。シリアで内戦が起こるか、または国連安全保障理事会からシリア侵略戦争発動の承認を得て我々の都市や社会構造を破壊することを望んでいる。米国とイラク、リビアのやっていることはこういうことだ。

幸運なことに、今回その企みはうまくいっていない。まず、シリアは非常に強い国であり、シリア国民は非常に愛国的で、西側の宣伝の犠牲にはならない。次に、中国とロシアが国連安保理の立場でシリア国民の自由意志を断固として支持しており、米国の計画承認を難しくしている。シリア国民は中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカにきわめて感謝している。これらの国々はシリアと国際社会全体にとって大きな力になったと思う。

アラブ世界は団結しておらず、多くのアラブ諸国が米国の政策と指示にひたすら従っている。これには悲哀と不幸を感じる。しかし、これは西側がしかけた反シリア活動にすぎず、西側諸国にのみメリットがあり地域内の人々にはメリットがないことを、ほとんどのアラブ人はきっと分かっていると思う。

――激動の中で、シリアの経済は深刻な影響を受けています。シリアの現在の経済情勢にどう対応されますか？

シリアの経済はテロ活動により深刻な損害を被った。テロ組織は警察や軍隊だけでなく、発電所や給水設備、ダム、橋梁、病院、学校などのインフラも攻撃し、自分たちに従わない経営者が所有する工場を焼き払った。彼らはすでにシリアの経済に対し深刻な損害を与えている。

同時に、米国を始めとする西側勢力はシリアの経済に厳しい制裁を加えている。現在、シリア経済は苦境にあるが、崩壊することは決してない。シリアは数十年来ずっと自給自足でやってきたからだ。国内で消費される食品の大部分を国内生産でまかなってきただけでなく、これまで３０年間ずっと隣国に輸出してきた。国内で必要な薬品の７０％を生産し、残りの３０％をインド、キューバなどに輸出している。着ている服も国内産だ。我々の経済は極めて柔軟性があり、調整と適応を行うことが可能だ。

経済制裁で生活は苦しくなったが、制裁に対処し経済を強化するにはどうしたらいいかも教わった。経済制裁は決してよいことではないが、ある意味においては、経済発展における弱点が浮き彫りになり、不足を補うことができた。喜ばしいことに、今回の危機が起こるまでシリアの外債はほとんどゼロで、数少ない外債のない国の１つだった。これまで３０年、シリアは外国からの借金に頼らず、自力更生でやってきた。自給自足だったことで、今回の危機による経済圧力を耐えることができた。シリア経済が昨年８月には崩壊し、シリア政府が倒れることを期待していた米国は、気が狂いそうなのではないか。

シリアは新しい貿易パートナーを得た上に、ベネズエラ、ロシア、イラン、インド、中国など従来からの貿易関係の強化にも力を入れている。どれだけ困難が多くとも、発展のチャンスはまだ多いと信じている。

「北京週報日本語版」2012年8月13日