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中日関係、「不惑」までの道のり

 

しかし、近年来中日両国は釣魚島やその付属島嶼の帰属問題、歴史認識問題など多くの問題で摩擦や対立が次第に激化し、中日関係が本当の相互理解・相互譲歩の関係にまだ程遠いということも事実だ。例えば、両国は2012年を「中日国民交流年」とし、400余りの友好交流行事を計画したが、年初に日本が一方的に釣魚島を命名し、石原慎太郎東京都知事が東京都の釣魚島「購入」を宣言し、野田佳彦首相が日本政府に島を「購入」する意思があることを示し、さらには産経新聞が「日本政府は今年9月の通常国会閉会後に『釣魚島購入』を批判した丹羽宇一郎駐中国大使の召還することを決定」と報道するなど、友好交流の雰囲気は頻出する問題にほとんど覆い隠されてしまった。さらには両国ともに相手国の方向性に対する不安感や不信感を日増しに募らせる事態にまでなった。日本の言論NPOとチャイナデイリーが行った共同調査の結果を見ても、中国人の64.5%、日本人の84.3%が相手国に対し悪い印象を持っており、関連調査が始まって以来最悪の結果となった。こうしたことから考えると、中日関係は「困惑だらけの年」を迎えている。

「冷」と「熱」が並存し二律背反する中日関係の構造のねじれを「政冷経熱」と表現し、国交回復当時の状況を「政熱経冷」とする人もいる。「政熱経冷」とは国のトップが積極的に推進するが一般層は活発ではないことを指し、「政冷経熱」は現段階のように、一般層では積極的に推進されそれぞれが必要なものを得られるような理性主義的な状態を言う。このような考えに基づいて、「政冷経熱」は中日関係における正常な現象で恐れるには足らないと考える向きもある。通常であれば、上記の観点にはある程度合理性があるが、「政冷経熱」は動態的な過程であり、「政熱経熱」に転じる可能性もあれば、「政冷経涼」に陥ってしまう恐れもある。特に昨今の中日関係は敏感な問題にしばられ、重きを置く方向が偏っており、両国ともに国民感情が悪化している。このような状況を放置すれば、収拾がつかない結果を招くだろう。一言で言えば、「政冷経熱」であれ「政熱経冷」であれ、どちらも正常な国家間関係ではないのである。

では正常な中日関係とはどのようなものか?答えは簡単明瞭、「不惑」である。つまり、双方は心理上、しくみ上、行動上、中日関係の互いに対する重要性を認識し、その方向へと努力し、それが中日関係発展の大局であることをしっかりとつかむべきで、特定の問題にしばられて両国関係発展の重点を見失ってはならない。しかし、中日関係が本当の「不惑」を実現するには、次の3つの前提が不可欠である。

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