浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)がまさにこのケースだ。今年、同社の順位は昨年の688位から475位に躍進し、初めて世界上位500社に入った。順位が急上昇した中国企業の1つでもある。これは中国民営企業の活力と潜在力を示すものであった。しかし、詳しく分析してみればすぐに浙江吉利控股集団の世界上位500社入りは合併買収によるものだということに気づくだろう。2011年、浙江吉利控股集団は有名自動車ブランドのボルボを買収したことで世界上位500社入りを果たしたのだ。
ここ数年、中国企業の海外合併買収が多い。中国企業が合併買収するのはもっぱら破産の危機に瀕している国際ブランドだ。中国企業は海外企業の合併で自身の経営規模と社会的影響力を拡大することはできるかもしれない。しかし結局のところ、合併買収は世界上位500社入りの確かな方法ではない。
王志楽氏はこう述べる。「大きく強くなろうとするならば、中国企業は自らの足で歩み出し、海外に名をはせる自主ブランドを作ることこそが正道だ。世界上位500社に入った中国企業のすべてが自主ブランドで、しかも国有資産背景のない企業になったら、その時こそ中国はようやく世界経済の中で足場を固め、発言権を得たことなる。中国企業が革新に力を入れず、世界のトップ企業との間にある様々な面での格差を縮めようとしなければ、世界上位500社の数が増え、注目を浴びても、ひけらかす価値はない」。
「北京週報日本語版」2012年8月8日 |