人生を変えた中国語
本選出場者の中に、大変印象に残る学生が1人いた。準決勝まで進んだロシアのタチアナ・カルポヴァ(塔尼婭)さんだ。タチアナさんは上位6名には入らなかったものの、パンダの被り物をトレードマークにしたパフォーマンスが人気を呼び、「パンダ姉さん」の愛称で親しまれた。
コンテストで明るい笑顔を振りまき快活に話す姿からは想像できないが、タチアナさんは幼い頃吃音に悩み、劣等感を抱えた内向的な少女だった。そのタチアナさんが、今回のコンテストでは中国語で早口言葉をしゃべり、パフォーマンスをし、歌を歌った。その変化には両親も驚いているという。タチアナさんを大きく生まれ変わらせたのは、6年前に出会った中国語だ。中国語を学ぶようになって吃音を克服し、積極的で明るい性格へと変わっていったのだという。
リハーサルを終えたタチアナさんに、「あなたにとって中国語はなんですか?」と質問してみた。タチアナさんは微笑みをたたえながら、力強い中国語で、「漢語是我的初恋,也是我的終生伴侶」(中国語は私の初恋、そして私の一生の伴侶です)と答えてくれた。そこには吃音の痕跡も、劣等感のかけらも感じられず、中国語を学ぶことで得た自信と喜びが満ちていた。
中国語を勉強したことで吃音を克服したロシアのタチアナ・カルポヴァさん
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