本誌記者 陳 姌
後退、上昇、そこから急上昇し逆回転。有名な「Renversement」という飛行技術だ。アクロバット飛行における高難度の技で、実戦では地上を狙った急降下攻撃と空中格闘戦によく用いられるヘリコプター操縦技術である。今年28歳の李致遠上尉は2年近くをかけてこの技をマスターした。
取材を受ける李致遠上尉
山東省菏澤出身の李致遠上尉は中国人民解放軍陸軍航空兵第4ヘリコプター団(「陸航4団」と略称)アクロバット飛行隊の最年少メンバーだ。幼少期から飛行機が好きだった李上尉は、高校時代に現地飛行基地の育成コースに参加し、2003年に陸軍航空兵学院(陸航学院)の飛行・指揮専攻に合格し、入学した。
2006年下半期、3年にわたる系統理論学習を終えた李上尉は初めて飛行機を操縦した。初めて空中で旋回した時の感覚を李上尉は今も忘れることができない。「最初に飛行機を操縦した時は憧れの気持ちでいっぱいでした。初めの頃は操作に習熟しておらず、ちょうど初めて自転車に乗った時に転ぶのが怖いのと同じような感じでした。時間が経ち、自分でも何度も繰り返して学ぶうちに、だんだん熟練度と各方面の能力が向上してきました」。李上尉はこう語る。
2007年に陸航学院を卒業すると、李上尉は陸航4団に入り、副操縦士となった。
中国人民解放軍陸軍航空兵は1986年10月に設置された。李上尉の所属する陸航4団の結成は1988年6月。陸航で最初の部隊の1つであると同時に陸航初の武装ヘリコプター部隊でもあり、北京東部の通州空港に駐屯している。同団には1000人近くの人員がおり、士官の86%は大卒以上の学歴を持っている。従事する機上勤務には主に飛行、ナビゲーション、通信、空中機械などがあり、地上勤務は主に機械、電気、計器、無線電信、兵器、レーダーなどである。主な装備には「直9-WZ」武装ヘリコプター(「武直9」と略称)、「米シリーズ」輸送ヘリコプター、固定翼輸送機がある。
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