年間の傾向予測
多くの専門家は、下半期の経済情勢は上半期より良くなり、年間のGDP実質成長率は8%以上を維持するだろうと予測している。
「中国経済のファンダメンタルズは変わっていない」。国家情報センター経済予測部副主任の祝宝良氏はこう述べる。祝宝良氏は、第3四半期に中国経済成長率は上昇に転じ、第4四半期の成長率はさらに上昇するだろうと予測する。
連平氏も、次のような見方を示している。第3四半期の経済成長率は底を打ち上昇に転じる可能性がある。中国経済に次の4つの景気好転要因があるからだ。①輸出成長率が明らかに回復し、急激な経済成長鈍化への懸念を緩和するのに役立つ。②不動産とインフラ投資成長率が回復し、固定資産投資に底打ちの兆しがある。③政策による後押しと物価上昇幅の縮小で、下半期の消費需要の安定成長に有利となる。④中長期貸付の占める割合が上昇し、金融の実体経済に対するサポートが強化される。
張立群氏は、今年の経済情勢全体に対する判断は「前半低迷、後半安定」で、下半期に経済成長率の抑制調整は終わると見ている。しかし氏は同時に、下半期に経済成長率の明らかな回復は見られないとも考えている。
張立群氏は、経済成長安定政策の実行度が下半期の経済情勢に決定的な影響を及ぼすと見ている。そのため張氏は、「引き続き構造的減税政策をしっかりと実施し、企業の税負担を軽減する。穏健な通貨政策の基本方向を堅持し、合理的な社会融資規模を維持し、貸付の構造をさらに適正化し、実体経済の需要を満たすことをさらに重視する」ことを提案している。
張立群氏はまた、次のような考えを示した。「内需拡大が下半期の経済成長促進の重点になるはず。省エネ製品購入補助の実施範囲を拡大し、自給式太陽光エネルギーなど新エネルギー製品の公共施設と家庭への導入サポートなど、消費促進の政策措置を整備するべきだ。最近、省エネ環境型家電製品販売に対し260億元余りの資金補助を行ったが、これは良い措置だった」。
安邦諮詢(Anbound)の研究報告は、「経済の健全な成長への影響を防ぐため、下半期は特に不動産価格の再上昇に注意するべきだ」と特に注意を促している。通貨政策の緩和によりおそらく不動産価格の再上昇が起こるからだ。6月の各主要都市の不動産成約数の急増と価格の小幅上昇はこの懸念をさらに大きくしている。
中国社会科学院金融研究所研究員の易憲容氏も次のように述べている。「6月の全国主要大都市の不動産価格は底を打ったが、これはいわゆる住宅の『実需要』によるものではなく、政府の一連の『安定成長』政策が打ち出されて不動産市場の予測が変わり、多くの住宅消費者が予測より早めに市場に戻り、一部の投機家もこの勢いに乗じて市場に戻ってきたからだ。
易憲容氏は言う。「今の不動産価格レベルで国内住宅市場に数量増加と価格上昇という状況が再び出現したら、2年余りにわたる住宅マクロ調整は効力がなかったことを意味する。下半期に中央銀行が通貨政策をさらに緩和し、このような不動産市場予測が強まれば、中国の不動産バブルはさらに大きくふくらんでいくだろう。だが、不動産バブルによるリスクは安定成長による収益よりも大きいものだ」。
「北京週報日本語版」2012年7月20日
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