減速傾向が続く原因
これまで30年の経済傾向、特に世界金融危機発生後に中国経済が見せた力強い回復と比べて、2010年第4四半期以降に中国経済に見られた継続的な成長率低迷は人々に懸念を抱かせている。中国経済がハードランディングすれば、世界経済も再び挫折するだろう。中国政府は一連の安定成長措置を打ち出したが、第2四半期のデータからはまだ安定の兆候は見えてこない。今回の中国経済成長率の継続的低迷を招いているの原因は何だろうか?
交通銀行の研究報告によると、中国の外需と内需が同時に鈍化したのが経済の低迷が続いている主な原因だという。
欧米は中国外需の主な市場だが、欧州債権危機の影響で、欧米市場からの需要は低迷が続いた。貿易量が最も大きい紡績品を例に取ると、工業情報化部のデータでは今年1~5月の中国の対ユーロ紡績品輸出は11.2%減っている。
中国経済内部の原動力にも政策的な原因による不足が見られた。最も顕著だったのは不動産開発投資成長率で、抑制政策、販売不振、資金源の制限などの影響を受け大幅に減速した。このほか、政府主導の経済構造調整、高エネルギー消費・高汚染業界や生産能力過剰業界への投資抑制により、工業投資が引き続き減少した。
国家統計局のデータでは、上半期の固定資産投資は同期比で20.4%成長だったが、前年同期と比べると5.2ポイント下がっている。
実体経済にも影響が及び、上半期の1日平均発電量、鋼材生産量、原油加工量などは同期比で成長率がかなり低下し、企業の生産経営状況が思わしくないことを示した。2012年6月、中国の製造業購買担当者指数(PMI)は50.2%で、前月より0.2ポイント下がった。
中国人民大学経済学院副院長の劉元春氏によると、今回の成長率低下には依然として顕著な輸入型の特徴が見られるという。「グローバリゼーションという背景の下で、世界経済は中国経済に深く影響している」と劉元春氏は言う。
福建省晋江市にある有名スポーツブランド工場のシューズ生産ライン (林善伝撮影)
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