――外交部副部長の崔天凱氏はかつて、「我々は米国のアジア太平洋地域における利益と関心を理解している。米国にも中国のこの地域における利益と関心を十分に尊重してもらいたい」と述べましたが、中米双方の関心はそれぞれ何だとお考えですか?両国はアジア太平洋地域でいい意味での「相互作用」を本当に実現できるでしょうか?
我々の理解している米国のアジア太平洋地域の安全に対する関心は海上通路の安全に関する問題だ。そうであれば、米国の海上通路の安全は脅かされていないはずだ。米国の言う海上通路の安全が脅かされたケースとは2008年に米国の軍用偵察船「インペッカブル」が中国の排他的経済水域で接近偵察をした際に受けた干渉のことである。だが、これは実際には米国が『国連海洋法条約』に違犯したのだ。条約の規定では、排他的経済水域において軍艦は無害通航のみが許可され、停留あるいは偵察は許されていない。もし米国がその霸権的態度を放棄し、中国周辺の排他的経済水域での軍事偵察をやめれば、米国の安全に対する関心、すなわち海上通路の安全はまったく問題なくなるだろう。
中国の安全に対する関心は我々の主権と領土の完全性及び海上権益の問題で、これには米国の尊重が必要だ。なぜなら米国は結局のところ他人の家の玄関先まで来ているが、我々のほうでは米国の沿岸に行って米国の安全利益を脅かしていないからだ。米国は中国の周辺にやって来て中国の安全利益を脅かしている。我々は米国に、中国の周辺国において安定と平和を促進するにとどまり、トラブルメーカーにならないことを望んいる。
双方が誠意を持ち、両国関係の維持とアジア太平洋地域の安定維持という大局から出発して、友好的に話し合い、信頼を増し疑いを解けば、戦略的安定を保つことはできる。しかし今、そのボールは米国のほうにある。
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