6月29日、ハワイ真珠湾のヒッカム基地で、米軍ミサイル駆逐艦ストックデールを離艦する軍人たち (新華社/AFP)
――6月初旬のシャングリラ・ダイアローグ(アジア安全保障会議)で、パネッタ米国防長官は「米国のアジア太平洋地域の兵力増強は中国の抑止を狙ったものではない」と発言しました。これについて米国は言行不一致だとの評価がありますが、そう思われますか?その理由は?
米国の言うことに対しては、発言を聞くだけでなく行動も観察する必要がある。もちろん、米国が中国を抑止しようとしないのが一番いい。しかし目下のところ少なくとも中国国民は米国の行動に疑惑を感じている。米国はなんの理由があってアジア太平洋に回帰するのか?アジア太平洋地域は米国の安全保障に脅威を与えるのか?アジア太平洋地域で米国がこれほどの大勢を動員するに値する国はどこか?現在、米国は保有する海軍艦艇の3分の2、航空母艦11隻のうち6隻、原子力潜水艦の60%をアジア太平洋に移している。では米国が中国を抑止しようとしていないのであれば、どこを抑止するのか?米国はよく中国に軍事透明性を求めるが、それなら米国も中国国民と国際社会に対して軍事を透明にするべきだ。パネッタ米国防長官は米国のアジア太平洋兵力増強は戦略的均衡を保つためだと言っているが、我々の研究報告で見ると、米国は実際にはもう戦略的均衡を失っている。冷戦時代、米国はアジア太平洋と欧州に対して確かに戦略的均衡を保っており、この2地域にそれぞれ10万の軍隊を駐留させて「双頭の鷹」政策を取っていた。しかし我々の研究報告で見ると、米国の戦略の重心はすでにアジア太平洋に移っている。現在、アジア駐留米軍は13万5000人、欧州駐留米軍は8万5000人。飛行機はアジアに618機配備されているが、欧州には290機しかない。艦艇はアジアに80隻だが、欧州は22隻だ。明らかに、その戦略の天秤はアジア太平洋に傾いている。米国は中国国民とアジアの人々、そして国際社会に対して説明をするべきだ。
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