本誌記者 丁 盈
中国戦略文化促進会は6月5日北京で、『2012米国軍事力評価報告』と『2012日本軍事力評価報告』を発表した。同報告はこの2年来の米国と日本の軍事戦略、軍事力、軍事配置及び対外軍事関係について評価したもので、中国の民間シンクタンクが初めて発表した国別軍事力評価報告である。本誌記者は同報告について中国戦略文化促進会常務副会長兼秘書長の羅援氏にインタビューした。
羅援氏
――中国戦略文化促進会は先ごろ米日両国の軍事力評価報告を発表しましたが、報告が伝える核心情報は何でしょうか?
この2つの報告が伝える核心情報は、各国間は相互に尊重し、相互に平等であるべきというメッセージだ。米国と日本も他国の軍事力をとやかく言ってばかりいるのはやめるべきだ。中国にも米日の軍事力を客観的に評価し、中国国民と国際社会に客観的かつ公正な見方を提示する権利がある。言い換えれば、米国は懐中電灯で人を照らしてばかりいないで、自分のことも照らすべきだということだ。この初志に基づいて、米日両国の軍事力評価報告を発表し、信頼を増し疑いを解く目的を遂げようとした。
――なぜ米国と日本を選んだのですか?報告作成の主な目的は?今後他の国の軍事力報告を出す予定はありますか?
この報告を発表したのは、情勢に迫られたからでもある。冷戦終了後、米国は旧ソ連に対する戦略的警戒を中国へと移した。米国国会は国防総省に毎年中国の軍事力評価報告を発表するよう要求した。日本も防衛白書を発表する機会を利用して中国の軍事力を評価しているが、大げさで事実と異なる内容が多く、中国脅威論を宣伝し助長している。中国国防部と外交部報道官が何度も厳正な交渉を申し入れて戒めたが、米日両国は依然として耳を貸さずに自分のやり方を通し、改めようとしなかった。中国には「来而不往非礼也」(いただいた厚意には応えないと失礼にあたる)という古い教えがある。そこで我々も「以其人之道還治其人之身」、つまり其の人の道(思考や行動)を以て其の人の身を治めるために、2カ国の軍事力を評価し中国国民と国際社会に示すことにしたのだ。
米日以外の国の軍事力報告の発表についても検討中だが、目下のところ重点はやはり米国と日本だ。中国の軍事力をとやかく言ってくるのはこの2カ国で、中国もそれに対してリアクションをするべきだと思うからだ。また、周辺の安全環境に対する全体認識が必要であるため、周辺国についても研究している。
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