◇アンケートで分かった日中の差◇
アンケートからは意外な結果が分かった。
「日本のサービス」について、中国人は「とても良い」(68.75%)、「まあ良い」(31.25%)、「普通」は0%で、全員が日本のサービスは「良い」と感じていた。ところが、日本人は自国のサービスについて「とても良い」(12.5%)、「まあ良い」(70%)、「普通」(17.5%)と、中国人の受ける感じとはかなり差があり、「良いほうだが、まあ普通だろう」としている人が多い。
「中国のサービス」についても、中国人、日本人にはっきりとした差が出た。
日本人は、中国のサービスに対して「まあよい」(6.25%)、「普通」(18.75%)と評価している人もいるが、「悪い」(62.5%)、「とても悪い」(12.5%)と75%が不満を示していた。しかし、中国人にとって自国のサービスは「普通」(50%)、「悪い」(37.5%)で、「とても悪い」は0%だった。「まあ良い」(12.5%)と感じる人もおり、「普通」と合わせると62.5%の人が「悪い」とは感じていなかった。
論文の筆者はこの感覚の違いについて、文化、家庭、学校、企業での教育、業者間の競争などの違いによると分析していた。さらに、中国のサービスは「自分のため」、日本の場合は「お客さんのため」の違いもあると論述を展開していた。
中国のサービスが不評なのは、一人っ子政策による若い従業員が多く、人に対する思い遣りに欠け、わがままな性格だからだ、と分析していた。しかし、日本のサービスについても、笑顔が作り笑いであり、マニュアル化した画一的なサービスに不満がある、との指摘を示し、「日中双方の欠点を反省し、双方の長所を取り入れることが今後のサービス業に必要だ」と結論づけていた。
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