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理性が求められる電気自動車プロジェクト拡張

本誌記者 蘭辛珍

 

5月26日早朝、深圳市の濱海大道でスポーツカー1台がタクシー2台に衝突し、うち1台のタクシーが炎上、運転手と2名の乗客が死亡した。炎上したタクシーは比亜迪(BYD)社の電気自動車E6で、中国で目下のところ電気自動車技術が最も先進的な車種である。

深圳の交通警察部門と比亜迪社は専門家による原因調査を行ったが、その調査期間中の6月16日午前9時頃、中国の有名リチウム電池メーカー億緯鋰能の恵州工場で電池爆発による火災が発生し、生産現場が焼失した。

この2件の事故で、中国の電気自動車発展路線は再び激しい世論の的となり、国内で電気自動車の安全性能に関する疑問と討論が再び巻き起こった。これ以前にも電気自動車の自然発火事件が何件も発生しており、電気自動車の安全性能に対する懸念を呼んでいた。

7月1日、工業情報部が発表した電気自動車国際『電動乗用車技術条件』が正式に実施されるが、同条件では特に「電気自動車の安全性はまず正面・側面衝突と制動性能など乗用車共通の安全基準に達していなければならない」と定められている。同時に、蓄電装置(電池ユニット)、機能の安全性と故障防止などについても極めて厳格な基準を設けている。この規定により電気自動車の安全性能はきっと高まるだろう。しかし専門家は、メーカーが技術を向上させこれらの基準を満たすまで、各地政府は理性を保ち、盲目的に電気自動車プロジェクトを拡張するべきではないとしている。

中国電工技術学会電動車両専門委員会技術サービスセンター主任の王天順氏は、「現在電気自動車に存在する重要な難題は蓄電池だ。政府や企業には、基礎材料への投資と研究開発に力を入れ、電動車のさらなる発展に向けてより安全な電池を提供するようにしてほしい。それが可能になるまで、国内での電気自動車の大規模応用は見合わせるべきだ」と述べている。

2012年4月26日、北京国際モーターショーにダイムラーと比亜迪が共同出展した電動コンセプトカー「騰勢(DENZA)」(新華社)

 

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