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中日通貨直接取引の影響は?

                                   本誌記者 蘭辛珍

 

主に日本市場と業務関係があり、中国A株市場上場企業である海隆軟件(ハイロンソフトウェア)は、最近投資家から有望視されている。その理由は海隆軟件社自身に何か飛躍的な技術革新があったわけではなく、6月1日から人民元と日本円の直接取引が上海と東京の両市場で正式にスタートしたからだ。

6月1日、東京の三菱東京UFJ銀行。この日、人民元と日本円の直接取引が上海と東京の市場でスタートした (関賢一郎撮影)

中日両国政府の手配により、6月1日から銀行間外国為替市場で人民元と日本円の直接取引が始まり、人民元の対日本円為替レート仲値決定方法が変更された。これまでの当日の人民元の対ドル為替レート仲値とドルの対日本円為替レートのクロスレート算出方式から、マーケットメーカー(銀行間外国為替市場で売値と買値を提示しその価格通りに取引することを約束している金融機関)に価格を問い合わせ、すべてのマーケットメーカー提示価格を平均して算出する方式に変更した。

中国中央銀行は、人民元の対日本円直接取引のマーケットメーカーとして、中国銀行など中国系銀行、みずほコーポレート銀行など日系銀行、HSBCなど外国為替市場で取引が活発なその他外資系銀行、中国東部沿海地域で日本と比較的業務関係のある地方商業銀行など、19行の銀行を認定した。

日本円はドルに次いで2番目に人民元直接取引を行う主要外国通貨となり、人民元の対日本円直接取引では、マーケットメーカーはドルを介さずに直接価格を提示し、売買価格差を効果的に縮め、それによって関連取引の為替コストを削減することが可能となる。

海隆軟件は昨年度日本で、営業収入全体の79.86%を占める3億1200万人民元を達成し、主営業利益の87.21%は日本で上げたものだった。人民元と日本円の直接取引は、海隆軟件の中日市場間の貿易決済コストを大幅に減らし、利益を増やすだろう。

中央銀行は、「人民元の対日本円直接取引は両国指導者の『中日間は金融市場の共同発展を強化する』という声明を実行に移したもので、市場原則遵守をベースに通貨直接取引の発展を共同で推進する重要な措置である」としている。

昨年末の野田首相訪中の際、中日両国の指導者は協力強化、特に金融面での協力強化について多くの共通認識に達した。それには人民元と日本円の国境をまたいだ貿易における使用、人民元と日本円の直接取引、さらには双方の証券市場での相互投資も含まれていた。

しかしより多くの人が好感したのは、ドルやユーロの不安定性が高まる今日において、中日が通貨協力を深めることは世界通貨体系の構造に深遠な影響をもたらし、世界経済貿易と国際金融市場における人民元と日本円の地位を高めると同時に、世界経済におけるアジア経済体の影響力と発言権を高めるのに役立つということだった。

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