◇ライガー、タイゴン、チョウ類の国際会議も◇
動物を仲介にした国際シンポジュームのテーマはたくさんある。南京動物園のライガー(♂ライオン×♀ベンガルホワイトタイガーの雑種、2008年5月、3頭誕生)、常州動物園のタイゴン(♂トラ×♀ライオンの雑種、2012年3月、1頭誕生)、長江下流域と朝鮮半島、日本列島とユーラシア大陸の東端だけに生息する4種類のギフチョウ類(中華虎鳳蝶など)、2011年8月、日本の調査隊によりブータンで78年振りに生存が確認されたブータンシボリアゲハなど、テーマ材料は身近にいくらでもある。
ブータンシボリアゲハは“ヒマラヤの貴婦人”とも呼ばれ、ヒマラヤ山脈の里山に棲息しているが、近縁種はウンナンシボリアゲハなど中国国内にもいる。このチョウの仲間がどのような生態で、近縁種とはどんな関係にあるのかなど研究項目は尽きない。ブータンシボリアゲハは日本の調査隊が再発見した後、採集した5頭(チョウの研究者仲間は頭と数える)をブータンに提供した。同年11月にブータンのワンチュク国王夫妻が訪日した際、♂♀各1頭を「友好の証」として日本にプレゼントしている。幻のチョウが日本とブータン両国の友好関係に関わり、日本は現在でも“ブータンブーム”が続いているほどだ。胡蝶が両国友好の懸け橋の役を果たしたといえる。
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